この前、普段お世話になっている方から中学生の姪御さんが偏食気味で困っているという話を聞きました。
全体的に食が細い上に食べられるものの種類がかなり限られていて家族で外食に出かけても気分が悪くなってしまうのですがお菓子は食べられるのだそうです。
実は私も全く同じ経験があります。
小学校低学年の頃の私は学校の給食に殆ど手を付けず担任の先生が『今日も給食を食べませんでした』と書いた連絡帳を持って帰る毎日でした。
自宅でも食事はご飯、おかずを数口食べたらもうごちそうさま。
外食に行ってもお店に着いた途端に気分が悪くなり横になっている私の隣で家族が食事をすることもよくありました。
それなのにお菓子だけは食べられる。(その中でもミントガムばかり噛んでいました)
『ご飯がおいしい、食事が楽しい』という概念が欠落したような数年間を過ごしていたのです。
今思えば当時の私は学校生活に馴染めないまま仕方なく通っているようなところがあったのでこの症状はそういったストレス的なものから来ていたと思っています。
こんな具合に周囲の大人を悩ませた私の偏食ですが、小学校高学年になるころには学校生活を送る上で必要な気の持ちようを子供なりに整理できるようになったり、成長期に差し掛かった私の身体が様々な栄養素を欲するようになったためなのか徐々に学校給食や自宅の食事、そして外食もおいしく食べられるようになっていきました。
そして現在。成長期などはるか昔な今でも旺盛すぎる食欲が逆に悩みの種になっています。

先述の姪御さんのケースだとちょうど思春期で心身ともにバランスが崩れがちな時期なのでそのあたりから来る精神的な不調も一因ではないでしょうかとお話ししました。

この経験談に少し似た短編小説があります。
太陽の塔でよく知られる岡本太郎の母で小説家の岡本かの子が書いた『鮨』という作品があるのですが初めてこれを読んだとき、あの頃の記憶がはっきり蘇ってきたのと同時に同じような経験をした人がこんな風にいるのだろうなと妙にほっとした感覚がありました。
話のあらすじとしてはある鮨屋に通う老人が鮨屋の娘に自身の幼少期の食べ物にまつわる思い出話を話してきかせるという実にシンプルなものです。
短時間でさくっと読めるのでもしよろしければ読んでみてください。

スタッフ シバタ