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フィクションの功罪

今期のドラマが放送され始めましたね。皆さんはもうチェックしましたか?ドラマに興
じて熱帯夜を乗り切りたい筆者です。
ところで、テレビドラマは殆どがフィクションですが、ときに社会現象になるほど人々に
影響を与えますよね。そしてフィクションという性質は、私たちに架空のストーリーを通
して何かしらのメッセージを訴えかけるものかもしれませんし、また、現実にはありえな
い出来事を描写することによって興奮や感動を与えてくれるものなのかもしれません。ゆ
えにフィクションは現実とは異なった内容でも許される節があるかと思います。しかし、
ここに筆者はある種の危機感を覚えました。そう思うに至ったきっかけは、先日見た映画
です。作中では、顔面に疾患のある少年が、最初はクラスメイトから冷遇されていました
が、家族や友人に支えられ、最終的にはみんなと仲良くなりハッピーエンド、という形で
締めくくられます。映画は反響が大きく、ユーザーレビューでは☆が平均4.5程でかなりの
支持を集めていました。しかし、現実はおそらく映画ほどまで甘くありません。記憶に新
しいですが、先日は墨田区議会が見た目による差別の根絶を目的に、国に意見書を提出し
ました。裏を返せば
見た目による差別が蔓延しているということです。それにもかかわらす、こういった悲し
い現実が報道される機会は少ない気がします。この映画が、そういった現実の認知度を上
げるきっかけになれば良いのかもしれませんが、ただ「感動する映画」として一般の人々
に消費され、厳しい現実に光が当たらない、ややもすると間違ったイメージが広まってし
まうとすれば、憂慮されるべきなのではないでしょうか。つまり、フィクションは、受け
手に様々な感情を持たせて夢中にさせますが、受け手はフィクションだけに囚われるので
はなく、社会で起こっている出来事に目を向ける必要があると感じました。
もちろん、報道も歪曲されている可能性もあるので何が事実であるのか見極めるのは難し
いですが、少なくとも事実を知ろうとする姿勢や思慮分別は求められるべきなのではない
かと思います。
これらは大人だったら当たり前のことですが、失念しないようにしたいですね。

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